がらんとした深い森の中では、ひとまずは家のことも、経済のことも、何も、考えなくてもいい。
突然だが
私は森にいる。
針葉樹に囲まれている。
音はない。
苔むす木々たちが、興趣深い
両方向から切ったかもしれない切り株があった。
色々な、鳥の声がする
繊細な小鳥の声、高らかに啼くカラスの声
木々が苔むしているのを見ると、どこか時間の流れを感じる。
しかし切断面を見ると、その木は新しくも見えるから不思議だ
道から横に目をやると、岩がある
時折、立ち止まって撮りたくなる岩がある。
丸太の階段。
登れはしないけど。
岩の苔からは、これ以上なき自然美を感じる。
切り倒された丸太からは、どこか寂寥を感じる。
幹の相貌をよく見てみると、不思議なうねりだなとも思う。
多分云うのは2回目だが、苔というのは本当に自然なもので、かつ静謐なものだと思う。
エゴノキという木が生えている。
真っ先に「エゴイズム」を彷彿とさせるような名だが、
「果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい→エゴ」とされたらしい。
展望台の下に、万両が佇んでいた。
終わり。