今回は、哲学や思想にも個人の好みがあるという主旨の話です。
まあ、哲学書に限らずですが、「この人の本って合わないな?」と思うことはないでしょうか。
そういう私もたまにあります。
特に、思想の本などは顕著だと思うのです。それは単に読む人の理解力がないからとかそういう単純な理由だけではなく、思想にも、洋服やメガネみたいにフィット感というものがあるからです。
例えば、特に高額な洋服やメガネなどを購入するときに、即購入せずに、「一回試着してみよう。サイズ感を見てみよう。」と実践を繰り返してやっとしっくりくる物を見つけるはずです。哲学や思想もそれと同じようなもので、「〇〇主義」などという言葉が蔓延(はびこ)る領域なので、合う合わないがあるのは至極当然なのです。
だからこそ、最初に知った思想がしっくりこなくても、そこでその領域自体を諦めないで欲しいですし、根気よくベストフィッティングを見つけて欲しいなと勝手に思います。
具体-抽象の差異はあれど、お気に入りの洋服を見つけたときの恍惚も、胸の奥で共振する概念と邂逅を果たした時の愉悦も、いずれにしても変え難いものだと思うからです。
かく言う私も、試着繰り返す日々です。