6日目
午前3時、大変に身体が熱くて起きる。
身体から大量の汗が出て、まさに極限状態だった。
汗が酷かったのでとりあえず着替えた。
服を多く持っていたのでこの辺りはよかった。
午前7時、夜が明けていた。
この時も例に倣って苦しい目覚めだった。
基本的に、朝晩に症状が酷くなる傾向があると感じた。
毎日、明日まで生きているのかわからないと思わされていたので、朝日がのぼっているだけで些か安心した。
この日も息苦しく、午前中は少しでも息がしやすい窓際に座り込む。
それでも呼吸困難感は緩和せず、かなりの息苦しさがあったので#7119に電話をして救急相談。
息が苦しく、もはや短い文章すら発話が難しかった。
看護師と話して状況を伝えたが、
「今は大変逼迫していて、救急車も呼べない」と言われ断られる。
頼みの綱の薬もなくなってしまい、祝日のため薬局も、PCR検査を受けた病院も休みで追い詰められる。
薬局の緊急連絡先も、保健所も、発熱センターもどこにも電話が繋がらない。
この時から、当初から続いていた手足の痛みや痺れはなくなり、下痢の症状が始まった。
13時、薬局の緊急連絡先から折り返しが来る。「今日は祝日なので、どうしても明日しか処方できない」と言われ、この日は薬を諦める。
14時半、ここに来て知人が家まで来てくれて、アセトアミノフェンを含む薬と、ゼリー、OS-1、下着を届けてくれた。
本当にもうなす術がなかったので、本当に助けられた。
体もほとんど動かず、そして連日の悪天候で洗濯もできなかったので、ここにきて下着も無くなっていた。
呼吸すらままならない日が続いていたので、掃除や入浴ができず衛生を保てないのもとても気持ちが悪かった。
貰った薬を飲む。
実は別件で手術をしていたので、その抗生物質や、突発性蕁麻疹の薬もあったが、コロナを治すのに集中するためやむを得ず飲むのをやめていた。
しかし、それでも下痢の症状は続き、トイレを往復する。
夜まで38.5度くらいだった。
知人と電話をしたりもした。
こちらは話さず、聞くだけだったが、聞くだけでもエネルギーをつかってしまうのでやめた。
本当に辛い時は、話すのも聞くのも、何かを読んだり、画面を見たり、目を開けているのも辛いので、静かに寝ているしかなかった。
コロナ特有の頭痛の症状があり、こめかみ周り、目の裏、額がジンジン波打つように襲ってくる。
この時は街もかなり酷い状況だったのか、しきりにサイレンが鳴っていて、鳴っていない瞬間がないどころか、同時にト方面から聞こえてくる。
それもあって寝付けなかった。
常にサイレンが鳴っているので、脳裏にサイレンの残響が浸透していくような感じで気持ちが悪かった。