池袋は爆発した。
〝跡形もなく〟というわけでもない、いくつかの小爆発が、各地で起こっているに過ぎない。
それでも私は驚いた。
「なんか煙出てない?」と電気屋の2階の窓から爆発を目にし、知人に言った。
「ああ、そうやな」と知人は返した。
成程、小爆発など日常茶飯事なのか。
全く、いったいどういう経路でこんなところに紛れ込んでしまったのかと思ったが、眠っている時点でそんな問いはナンセンスだ。
これは推測に過ぎないが、「知人がユニクロに行くのに付き添った過去」と「池袋を俯瞰過去」が(夢の中で)無意識に連接していたのだと思う。
後はわからない。電気屋も爆発も。
何にせよ、異様な事態であるのに、人々は目もくれない。なんだこのシュールレアリスムを具現化(夢なので具現というには少し惜しいが)したような光景は、
「芸術は爆発だ」とはこのようなことだったのだろうか。
いや、爆発が直接的過ぎる。
そのような、やりきれない前景に対峙し、荒廃していく池袋を茫然自失として眺めていたところで、恐らく私は目を覚ました。
fin.