楽しみにしていたライゾマティクス展へ行ってきた。
端的な感想を言えば、
普段は不可視な情報の脈路が、可視化・可聴化された作品を見ることができ、情報に塗れた社会の見方も変わった。
そんな刺激的な展示だった。
(撮影禁止の箇所の方が多かったので、今回は「東京都現代美術館」のHP(https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/rhizomatiks)の画像を引用させて頂きます。)
1.オープニング:巨大な画像モニター
①展示オープニング
(画像:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/rhizomatiks/ )
迫力のある画面がダイナミックに遷移していく様相は目を見張るものがあった。
②《Rhizomatiks Chronicle》
このモニターは、rhizomatiks の活動の変遷を、グラフ理論的な動態図のような様式で表現していて、通常は不可視なデータの移動や縫合も可視化されていて、〝日々の不可視〟の想像を掻き立てられた。
③《NFTs and CryptoArt-Experiment》
最近話題のNFT市場についてのリアルな売買の様子を、近未来的な作品群とともに看取ることができた。
昨今の情報社会について多面的に問うようなものでもあった。
2.《multiplex》:滑るように動くキューブ
次は、
アルゴリズムにて、いつくかの立方体が綺麗に、秩序立って動く、言わば「無人のショー」のようなものだった。
個人的にはこれに最も感動させられた。
アルゴリズム通りに動くハコ、それを撮影し、リアルタイムで背面の壁に幾何学的なダイナミズムを二次元に落とし込むという、2次元要素と3次元要素が汲み取られた素晴らしい作品だった。
言語化は難しいが、2.5次元というよりは、3次元的な2次元と2次元的な3次元を、混ぜるというよりは綺麗に住み分けて往来させている。そして結果としては人はリアルとアンリアルの間(はざま)に対峙しているように感じるのだと個人的に思った。
上の画像のように、隣の部屋のモニターを介せば、同時並行にデータ化されたダンサーの動きを見ることができる。
正面からだと、ただ箱が動いているだけなので、なんとも不思議。
バーチャルとリアルが差異なく滑らかに接合されている。
動的なアートだが、非常に精密な秩序により設計されていた。
ハコが動いた後も非常に規則的。
撮影はNGだったので、ここで動画など公開できないのは惜しいが、「技術もここまで来たのか…(何様なのか)」と思わされた。
秩序の中で織りなされた動的な幾何学の神秘に即して、恍惚に耽らずにはいられなかった。
ぜひ足を運んで欲しい。
後半へ。